美容で「プラズマ」技術による新しいしわ治療

美容で皮膚のしわを消して肌を若返らせる「(PDF)プラズマ皮膚再生装置」による複数回の低エネルギー治療に、単回の高エネルギー治療と同等の効果があり、術後の回復にかかる時間も短くてすむことが示された。

 米国美容形成外科学会(ASAPS)によると、2005年に米国で何らかの美容処置を受けた人は約1,150万人で、さまざまな若返り法が大きな関心を集め続けている。

 医学誌「Archives of Dermatology」2月号で報告された今回の治療法は、物質の原子が電子を失いイオン化気体を形成した状態である「プラズマ」を利用して、1000分の1秒という短いパルス幅で皮膚組織にエネルギーを送るもの。

 使用機器はPortrain PSRと呼ばれるもので、複数回の低エネルギー治療と単回の高エネルギー治療の両方について米国食品医薬品局(FDA)の承認を受けている。これまでの研究では高エネルギー治療に焦点が当てられていたが、今回、低エネルギー治療により、短い回復期間で同等の効果が得られるかどうかが検討された。

 SkinCare Physicians社(マサチューセッツ州、研究当時所属)のMelissa Bogle博士らの研究グループは、ボランティア8人の協力を得て、顔全体への低エネルギー治療を3週間おきに3回実施。

 3カ月後、しわが37%減少し(研究者による判断)、顔全体の外観が68%向上した(被験者自身による判断)。術後4日で皮膚が再生し、発赤は6日間続いた。

 発赤および剥皮が完全に治まるまでに要した期間は、1回の治療につき平均5日であったという。回復期間がほかの低侵襲性処置に勝るわけではないが、回復過程のマイルドさは多くの患者にとって魅力ある選択肢になるという。

 同誌に掲載されたもう一つの研究では、ヒアルロン酸を含む「皮膚充填剤」が、皮膚を構成する主な蛋白(たんぱく)であるコラーゲン産生を刺激して、皮膚に若返り効果をもたらすことが示された。

 研究を実施した米ミシガン大学Frank Wang博士は、現在承認されている美容目的以外にも、例えば強いステロイド薬を使用する患者などで、皮膚のコラーゲン不足にこの充填剤を応用できる可能性があると述べている。

Dr.赤ひげ.com - 2007年3月4日